
平戸ツツジ | 貴婦人(キフジン)
開花期:4月中旬平戸ツツジの一品種。花色はかなり淡い薄ピンクで、その花弁の外周を濃いピンクが縁取っている覆輪咲き。やがて咲き進むにつれて下地と外周のピンク色同士が溶け合って混ざり合い、非常に気品のある美しい色合いへと変化していく。咲き進んだ状態で花弁に陽光が当たると煌々と輝き、極めて美しい宝石のようになる。本種はツツジ全体で見ても極めて強健で、枯らすのが難しいレベルで樹勢が強く扱いやすい。これだけ...

交配系ツツジ | はるか
開花期:3月下旬平野農園さんによって有鱗片シャクナゲ同士を掛け合わせて作りだされた交配品種。花色はとても淡々しく朧げとした、形容のし難い桜色をしている。モチ・岸ツツジ系のピンク色とも違い、藤色を薄くしたようなパステルカラーが非常に神秘的。薄い花弁は光が当たると透き通り、角度や日当たりによって若干色が変わって見える。何れも唯一無二の幻想的な花色を誇り美しい。同色のツツジは他に存在しないと言い切れるく...

久留米ツツジ | 紫水晶(ムラサキスイショウ)
開花期:4月上旬久留米ツツジの一品種。花色は藤色がかった淡いピンクで、花弁の中心は少し強めの黄緑色をしている。二重咲きで花弁が厚く、この色調の系統では珍しく咲き進んでも色同士が溶けずにくすむ。花持ちが良く、色がくすんでからもそこそこ長く咲き続ける。その僅かにくすんだ花色が名前どおりに紫水晶を想起させ、とても美しい。特に原石のぼんやりとした色彩に色が似る。花弁のふちがピンクで強調される覆輪タイプのツ...

岸ツツジ | 若鷺(ワカサギ)
開花期:4月中旬岸ツツジの園芸品種。古典園芸品種で江戸時代の文献「花壇綱(1681)」にも記述があるなど歴史は古い。花色は極めて白に近い淡いピンクで中心に薄紫の線が入り、花が咲き進むと色同士が溶け合って幻想的な薄紫色に変化していく。色が変化した後に日が当たると宝石の如く輝き大変美しい。咲き進んだ色も素晴らしいが、咲き始めの白紫色も見事である。花弁は5枚が基本だが時折増えて6枚になったりと若干バラつきを起...

中国原産ツツジ | ホンコンエンシス(hongkongensis)
開花期:4月上旬中国大陸を原産地とするツツジ。花弁にマゼンタの蜜標が濃く入り、僅かに暗みがかった淡いライトピンクの花を咲かせる。分厚く重厚な花弁は特徴的で、色と合わせて非常に上品な印象。葉と花の性質は愛媛県の極一部に自生するトキワバイカツツジによく似る。詳しい来歴は殆ど不明だが性質は至って強健で扱いやすく、日向にも半日陰にも適応する。耐暑、耐寒性も共に強く、かなり育てやすい。一応日本に渡ってきてか...

ヒカゲツツジ | ピンクヒカゲツツジ
開花期:4月上旬ヒカゲツツジの園芸品種で、屋久島姫ハイヒカゲ(有鱗片シャクナゲ)とラセモーサム(有鱗片シャクナゲ)の交配種。白紫色の花弁に紫味がかったピンクが混じり、気高い陶磁器のような色をしている。花付きと花持ちも大変良く、咲き進むと色同士の境界線が薄れオーロラのように色づく。極めて美しい上に有鱗片シャクナゲの中だと扱いがかなり楽な方で育てやすい。こうした有鱗片シャクナゲの園芸種はちょくちょく夏...

久留米ツツジ | 都美人(ミヤコビジン)
開花期:4月中旬久留米ツツジの一種で、大正時代に創出された品種。花は二重咲きで、どことなく和を感じさせる朱と白の上品な絞り咲きをする。絞りの発現がかなり安定する品種で、殆ど絞りが出ない花でも朱の色点が付く。おしべが花弁化しているか、もしくはかなり短くめしべしか目立たない特長的な花姿をしている。久留米ツツジの中でも殊更小輪だが、多花性で非常に密に咲く。咲き始めに詰まった蕾が押し合いながら少しずつ開い...

琉球ツツジ | 琉球絞り(リュウキュウシボリ)
開花期:5月上旬琉球ツツジの古典園芸種。恐らく江戸時代から庭木に使用されていると思われるが、現存する文書で名前が確認出来るのは大正時代に入ってからである。花は二重咲きで、白地に赤紫の線や点がランダムで入る絞り咲き。絞り咲きをするツツジの中だと絞りの発現がそこそこ安定しており、株に咲いた花に絞りが一つも入っていないというような事態はあまり起きない。クレープ&バニラのアイスクリームのような色彩で洋風の庭...

ゲンカイツツジ | 白花玄海ツツジ
開花期:3月下旬ゲンカイツツジの白花品種で、有鱗片シャクナゲの仲間。花色が不気味な程に白く、背景が透けて見えると錯覚する程に花弁が薄い。蜜標は極めて薄い黄緑色で、殆ど視野に入らず正に純白の花を咲かせる。特に日光が当たると幻想的なまでにキラキラと輝き美しい。まるでホワイトサファイアのようで、この輝きは玄海ツツジでしか見ることが出来ない。エゾムラサキツツジの白花とは造形がかなり似るが、本種の方が剣弁。...

エゾムラサキツツジ | 白花エゾムラサキツツジ
開花期:3月下旬エゾムラサキツツジの白花品種で、有鱗片シャクナゲの仲間。花弁に蜜標が殆どかからず、ぞっとするくらいに真っ白な花色を咲かせる。白花を咲かせるツツジの中でも一、二を争うレベルで白いので、純白を求めるのならば本種か玄海ツツジの白花を求めるのが良い。花弁がとても薄く、日光が当たると透けて輝く。ただし本種はやはり北海道に自生するだけあり、東京の夏は非常に堪えているように見える。一度日差しへの...