エクスバリーアザレア | ゴールデンフレア(Golden Flare)

2022年05月17日
ツツジ
ゴールデンフレアの花

分類・エクスバリーアザレア(落葉樹)
開花期:4月中旬
3月下旬から4月下旬にかけて少しずつ花を咲かせる。
先発と後発の足並みが揃って開花が一番華やかになるのは4月中旬。
秋に非常に狂い咲きしやすい。


扱いやすさ・★★☆☆☆ 若干難しい
エクスバリーアザレアの中では断然育成が簡単だが、エクスバリーアザレアの扱い自体が若干難しい。
基本的には真夏の直射日光と5月以降の乾燥を苦手とする。
植えるのならば明るい半日陰が理想的。
夏の水やりに自信があるのならば若干日向でも生育可能。

暑さ・若干弱い。真夏の直射日光を除けば大概は問題なし。
寒さ・強い。東京では気にする必要がない。
乾湿・乾燥に弱く若干の湿気を好む


概要


エクスバリーアザレアの古典園芸種。

花色はまるで濃いチーズ菓子のようで、非常に鮮やかな濃黄色。
花弁も分厚く派手な色と合わせてまるで木に咲く百合のよう。

名前のゴールデンという表現がとても上手くはまっている。
性質は強健でそこそこの日差しにも耐え、エクスバリーアザレアの中だと大分育てやすい。
3月から4月下旬にかけてポツポツと花を咲かせ続けるので花期が長いのも特徴。


ゴールデンフレアの花

乾燥に弱いのが難点だが、これはレンゲツツジの近種全体の特徴。

暑さに弱いというよりも乾燥や水切れに弱く、水やりにさえ気を付ければ育成は易い。
根元に落ち葉をばら撒くと日差しや乾燥への耐性が目に見えて上がる。

本種の一番の悩みどころは狂い咲きの多さで、11月後半には決まってしなしなの花を中途半端に広げてしまう。
場合によっては冬中に3分の1くらいの蕾を開いてしまい、肝心の春花が少し寂しくなる。

せめて株の体力を使わせないように、蕾からはみ出てきた花弁を開くなという気持ちを込めてむしり取ると良い。
蕾の塊が若干開いてしまっていても、大抵は千切った分だけで被害は済むのであまり深刻に考える必要はない。


写真


ゴールデンフレアの花 ゴールデンフレアの花


日本に自生するレンゲツツジとは離れたとても鮮やかな黄色をしている。

本種は19世紀にエクスバリーアザレアの交配を強く主導したライオネル・ド・ロスチャイルドが特に好んだ
濃い黄色の花を持ち、17世紀初頭からゲントアザレア→モリスアザレア→ナップヒルアザレア→エクスバリーアザレア
と続いた落葉ツツジ系譜の集大成である。


取り扱いについて


特性

日光を好み、そこそこの日差しに耐えるが乾燥には弱い。

特に苗を植えてから2年程、根が張るまでは季節の暖かくなり始めに葉が萎れることが多い。
葉がしなしなに萎れてもその日の夕方~夜ならば水をやれば間に合うので、夏は目を離さないのが吉。
ただし塩梅が非常に難しいのだが、そこで水をやり過ぎると根が育ちにくい。
このくらいの時間からのしなしななら放置でいけるなどと見極めることで、結果的に乾燥に強くなる。

耐陰性が強く割と日陰めに植えても花が咲くので、管理に不安があれば明るめの半日陰に植える。
若干土地が湿っているくらいが生育には一番良い。
病虫害についてはやたらとハマキムシが付くので定期的な殺虫をする。
エクスバリーアザレア系の中だと殺菌系農薬に対しての薬害に強い。

剪定

萌芽力が弱く、あまり刈り込むような木ではない。
落葉性のツツジは本種に限らず萌芽力が強くないので、一本一本の枝葉がとても貴重になる。

基本的には花後の枝先から新芽を出し、ひたすらと先に伸びていく。
あまり枝元から新芽を出さないので、樹勢の維持の為には低いところから出てきた枝を大事にしたい。
本種は樹形的には縦よりも横に広がるので、縦に伸ばしたければ支柱で枝を上向きにする。

尚、本種に限らずエクスバリーアザレアは花後に実を付けると極端に枝が弱るので注意。
花終わりには結実しないように花がらを子房ごと処分すると樹勢が弱らず毎年よく育つ。


雑記


絵1

この世にエクスバリーアザレアというものが存在するのはネットで幼少の頃より認識していたが、
実際に本種を現実世界の東京で見かけることは全くない。

往々にしてよく見かける花木というのは樹勢が強いもので、 見ないということは極端に性質が弱い場合が殆どだ。
特に本種を育てもせずにそういうものの一つだろうと考えていた。


絵2

しかし近所の花屋の特売コーナーに本種が転がっているのを1年間ほど眺めてから、その考えを改めた。
幾ら大事に水やりされているとはいえ、置いてあるのは遮蔽物も何もない直射日光下のコーナーである。

足繁く様子を見に行ったが枯れる様子もなく、やがてコーナーに売っていた本種らを買い占めた。
枯らせば二度とエクスバリーアザレアは買わないと不退転の覚悟を決めたが、結果から言えば杞憂であった。
彼らは想定していたよりも遥かに強健である。

ただし繰り返すが乾燥には滅法弱い。一番てっとり早い対策は株元を落ち葉や腐葉土などで覆ってしまうことだ。
これだけでかなり管理が楽になる。
小さい苗の時は真夏の間(7~9月)ずっと遮光率70%程度の日除けをかけておいても良い。