西洋シャクナゲ | パーシーワイズマン(Percy Wiseman)

2022年05月18日
ツツジ
パーシーワイズマンの花

分類・西洋シャクナゲ(常緑樹)
開花期:4月下旬
4月最下旬から5月中旬にかけて花を咲かせる。

扱いやすさ・★★★☆☆ 普通
一般的な西洋シャクナゲとしての樹勢や耐性を持つ。
日向に植えるとよく育つが、真夏の東京で雨が頻発すると枝枯れなど高温多湿に伴う害が生じる。
小さな苗の時は特にそれで樹勢を落としやすいので注意。夏の西日が当たるような場所には向かない。
明るい半日陰に植えるのが一番良い。落ち葉で根元を覆うと更に良し。

暑さ・普通。真夏の高温多湿的環境に弱い。
寒さ・強い。東京では全く気にする必要がない。
乾湿・乾燥に弱く、若干湿った用土を好むが夏の高温多湿には弱い。


概要


西洋シャクナゲの一品種。
屋久島シャクナゲの交配種で、多花性や花色の変化などが見事に受け継がれている。
開花中は常に鮮やかなグラデーションを作り、クリーム、黄、ピンクが入り混じった幻想的な色彩の花を咲かせる。

花色の変化が目まぐるしく、蕾の時は濃いワインレッド。
咲き始めは明るいピンク色で、咲き進むとクリーム色、黄色へと色が変わっていく。

とにかく色合い鮮やかで、本種単体で虹がかった花畑のように庭を鮮やかにしてくれる。


パーシーワイズマンの花

神経を使う和シャクナゲと比べると、西洋シャクナゲはあらゆる面において強健で管理は楽。
本種は平均的な西洋シャクナゲの中だと中間くらいの樹勢を持つが、日本の真夏にはやはり弱い。

特に真夏の直射日光下で高温多湿に晒されると弱るので、なるべく半日陰などに植えて様子を見たい。
苗の時は意識して日光が株元に当たらないように落ち葉などで根元を覆っておくと良く育つ。

株が大きくなればあらゆる耐性が上昇するので、それまでは葉や生育状態などをまめに観察する。


写真


パーシーワイズマンの花2  パーシーワイズマンの花2

花の造形は非常にシンプルだが色彩が凄まじく鮮やかで花持ちも大変素晴らしい。
日光が当たるとキラキラと輝き、メルヘンチック極まれり。


取り扱いについて


特性

陽樹で日光を好むが、遮蔽物無しの夏の直射日光を受けると葉焼けを起こし樹勢を弱らせてしまう。
特に真夏のにわか雨+強烈な日差しにより生まれる高温多湿は本種の樹勢を大変落とすので、
庭植えにする場合は明るめの半日陰か落葉樹の下に植えると良い。

午前中のみ日差しが届くような環境が理想だが、それでも苗木だと夏に成長障害を起こすことがあるので注意。
育っても夏の西日が延々と当たるような場所には向かない。

西洋シャクナゲは根が浅く乾燥には弱いので、夏場の水やりをしっかりしてやると良く育つ。
が、塩梅を間違えるとあっという間に高温多湿に陥り著しく弱る。
これは根元を落ち葉などで覆うと対策出来るので、季節問わずマルチングを欠かさない方が良い。


剪定

刈り込む木ではない。

ただし落葉性ツツジのように萌芽力がない訳ではなく、
試したことはないが最悪刈り込んでも致命的な問題に陥ることはないと想像する。

花後に花がらを摘み取り、同時に古枝などを整理する。
多湿対策で多少は枝を透かしたいが、透かし過ぎると根元に日光が当たって樹勢を落とす。
強く枝を切ると弱るので、出来るだけ大きくなる前に理想の樹高で毎年剪定する。

尚、夏以降に剪定を行うと翌年の花芽を切ってしまうことになるので注意。


雑記


絵1

落葉性ツツジなどは原生の環境だと4メートル以上まで成長することもあるが、
庭という人口の環境では放っておいても中々そこまで大きくはならない。

大体の西洋シャクナゲもカタログ上での樹高は3メートル程と高いが、
庭でそこまで育て上げるのは中々に難しい。
日本の夏は西洋シャクナゲには少し暑過ぎるのだろう。


絵2

本種パーシーワイズマンを巨木にしたらさぞ綺麗なことだろう。
巨大な花束なんて目ではない、空に虹が咲く木は想像するだけで心が躍る。

ただし本種はカタログ上の数字が(1~2m)だったり(~4m)だったりと情報によって上下しているので
実際に育ててみるまでは分からない。

長く付き合っていけば何れは分かる日が来るだろう。