レンゲツツジ | レンゲツツジ

2022年05月18日
ツツジ
レンゲツツジの花

開花期:5月上旬

日本固有種であり、全国北海道から広島までの草原や高原に自生している落葉性ツツジ。
各湿地帯にも分布しており多湿に強いが反対に乾燥にはとても弱い。

在来種だけあって落葉性ツツジの中でも樹勢はそこそこ強く、乾燥対策さえ出来れば関東の庭でも育てられる。
日差しには強いものの、繰り返すが乾燥には弱いので常に土が若干湿っているくらいが丁度良い。
ただし、同じ多湿でも高温多湿には弱いので、根元に日を当てないよう枯葉をばら撒いておくと管理難易度がかなり下がる。

尚、葉・茎・花全てにグラヤノトキシンという毒を持っているので扱いには注意。
自生地ではこの毒によって鹿などからの食害を防ぐことで生育環境を保っている。


レンゲツツジの花

花色は朱色から橙、赤っぽい黄色まで固体差があり、基本種は橙色をベースとした配色をしている。
変種としては黄・白レンゲツツジが存在。

本種を交配親にして様々な落葉性ツツジの品種改良が試みられており、エクスバリーアザレアや信濃ツツジなどが該当。
特に18世紀後半にはゲントアザレアの交配に本種が使われたことで、
後のエクスバリーアザレア種完成への道程に大きく関わっている。

本種と交配したツツジは何れも素晴らしい花を咲かせるが、
殆どの場合は乾燥に弱いという弱点も綺麗に受け継いでいることが多い。
本種を含めてレンゲツツジ系の苗は植えてから数年の間水切れに目を光らせると吉。


取り扱いについて


特性

日光を好むが乾燥にはとても弱い。
根付きさえしていれば夏の日差しにもそこそこ耐えるが、地面が乾燥すると途端に葉を萎らせ樹勢を落とす。
葉がカラカラに乾燥していない状態ならば萎れていても水をやれば復活するので、夏は特に目を離さない方が良い。

本種は他の落葉性ツツジと比べて半日陰に植えた場合の花蕾の減少が若干目立つ。
水の管理にさえ自信があれば真夏に西日の当たらないような日向に植えた方が元気に生育する。

レンゲツツジの失敗はほぼ水切れに終始しており、マルチング(根元を腐葉土や枯れ葉などで覆う)をして対策する。
マルチングは水切れと高温多湿対策として、また多くのツツジが苦手とする株元への日差しを
遮ることでの樹勢弱化を防ぐ意味でも非常に有用。


剪定

レンゲツツジは芽を出す力が弱く、刈り込まない方が良い。
無闇に枝先を落とすと新芽が出てこずそのまま枝が根元まで枯れたりもする。

花終わり頃に枝先から新芽が発生するが、花が結実すると新芽伸長の邪魔になり
しかも樹勢が弱るので花がらは子房ごとなるべく早めに除去したい。
枝先の新芽は大抵の場合毎春元気に出てくるが、それだけを残して行くと株が巨大化するので
樹高を維持したい時は枝の下部から発生する枝を残し、古枝を根元から切り入れ替える。

ただし、樹勢が良ければ枝先で剪定しても新芽が出てくることもあるので駄目元で切ってみるのも良い。


雑記


絵1

江戸時代の旅人、菅江真澄が書き残した紀行文「秀酒企乃温濤」にも
登場するなど在来種のレンゲツツジは昔から日本各地に存在している。

しかし同じ日本在来種かつ落葉系のミツバツツジ、オンツツジ等と比べると、
レンゲツツジを人の住む庭で見かける機会は極端に少ない。


絵2

これは明らかにレンゲツツジが乾燥に弱いからだろう。
その癖日光をかなり好むのも若干性質や取り扱いを難しくしている。

大抵の植物はしっかりと地に根付けば水やりは自然降雨でどうにかなるようになるが、本種は東京ではその限りではない。
特に夏は毎夜葉の状態をよく見てレンゲツツジの緊急サインを逃さないのが吉。

株元から横に伸びている枝先の下の地面までを落ち葉などで覆うと乾燥に対して非常に強くなる。