レンゲツツジ | 黄レンゲツツジ

2022年05月19日
ツツジ
黄レンゲツツジの花

分類・レンゲツツジ(落葉樹)
開花期:4月中旬
4月中旬から5月中旬にかけて花を咲かせる。

扱いやすさ・★★☆☆☆ 若干難しい
本種はレンゲツツジの変種だが、花の色以外は全てが基本種と変わらない。
よって基本的な扱いも全てがレンゲツツジとしてのものでよく、乾燥に弱く湿度を好むのも同じくする。
扱いやすさも若干難しいとしているがそんなに難しくはなく、苗木時代を越えれば安定する。
ただしよく見かけるツツジと比べるとやはり若干癖があるので、扱い易くはない。

暑さ・普通。真夏の直射日光に耐えたり耐えなかったりする。
寒さ・強い。東京では気にする必要がない。
乾湿・かなり乾燥に弱くそこそこの湿気を好む


概要


レンゲツツジの変種で交配などで作られた訳ではなく、自生するレンゲツツジが自然変異した個体。
レンゲツツジは本種の他にも朱~橙、白色など個体によって色の揺れ幅が大きい。

本種は優しい黄色というか、緑がかったレモンイエローで何とも言えない花色をしている。
特に蕾と咲き始めは黄緑がかっていて非常に美しい。
そして満開を迎えると中々に原色に近い黄色にもなる。

尚、有毒性や取り扱い方はほぼ基本種のレンゲツツジに準拠し葉から花まで全てに毒性を持つので注意。


黄レンゲツツジの花

基本種と同じく日差しは好むが乾燥に弱い。
特に株元には陽光を当てないよう落ち葉などでマルチングしておくと育て易さが格段に上がる。

花が終わり葉が出る頃の5月下旬は急激に温度の上がる頃で、
元気良く展開した新芽が途端に猛暑で萎れるのは最早例年の風物詩ともいえる。

乾燥には弱いが日本の湿った草原などに自生するだけあって多湿には案外強く、
殆どの植物が苦手とする高温多湿に対しても意外な耐性を見せる。
同じく東京で育てる上で癖の強い有鱗片シャクナゲのような真夏の枝枯れ株枯れなどを本種は殆ど起こさない。


取り扱いについて


特性

草原や高原に分布しており日光を好む。
しかし日差しに伴う土壌の乾燥には非常に弱いので、定期的な水やりを忘れないようにしたい。
ただし潤沢に水をやり過ぎると根を伸ばしてくれないので、定期的に葉が落ちないレベルで様子を見る。

湿地にも自生が見られるように多湿には強いので、
ある程度高温多湿を防ぐ為に土壌を落ち葉で覆った上で早朝か夕方に水をやる。
真夏は昼頃に水をやると地中で熱湯になってしまうので出来る限り日中の水やりは避けたい。

備考として明らかに近縁のエクスバリーアザレアなどと比べると直射日光への耐性が強い。
また、同種と比べて薬害に対してもそこそこ強い。


剪定

本種は萌芽力が弱く刈り込まない方が良い。
しかし、樹勢は強く割と根元からも新枝を頻繁に出すので、管理に難はない。
同じ落葉性のミツバツツジやゲンカイツツジとはかなり枝の出し方のイメージが違う。

幹や枝の根元から出てくる新枝を残し、古枝と順次入れ替えていく。

花後には枝の先端から新芽が出てくるので、新芽伸長の邪魔にならないよう花がらは早めに子房ごと除去する。
その場合は誤って新芽まで落としてしまわないように注意したい。
がくのすぐ下あたり(花柄)で切ると新芽を間違って落とすリスクが減る。


雑記


絵1

黄レンゲツツジは見れば見る程爽やかな花色だ。
レモンと並べてみるとレモンよりレモン色をしているような気さえする(?)

流石にそれはレモンに対する冒涜だろうか。
しかしレモンイエローという色の表現がここまで似合うツツジもそうはない。
美し過ぎる。


絵2

レンゲツツジは基本種、本種黄レンゲツツジの他に白花変種個体も存在する。

何れも人間の手によっての選抜などの変化ではなく、自然変異を起こした個体が
そのまま園芸品種として扱われるパターンだ。

現代でもちょくちょく自然の変異個体は見つかり続けており、
それが定着化や増殖されたものが都度市場に出回ってくる。