ヤマツツジ | さわゆき
2022年05月21日

開花期:5月上旬
ヤマツツジの白花種で、白花系で縦に伸びる常緑ツツジの中だと扱いやすい。
真っ白な花弁に黄緑色の蜜標がかかり、青空にとても良く映える。
白系のツツジの中だとかなり純白に近い色をしているので、純粋な白花を求めるのならば本種が良い。
黄や緑が混ざり、案外と真っ白な花を持つツツジの品種は少ない。
ただし久留米ツツジ、平戸ツツジと比べるとヤマツツジは若干癖があり、
定期的な消毒と夏の水切れには注意する。

「さわゆき」という名前が白花ヤマツツジの選抜種であるのか、
或いはただの白花ヤマツツジの流通名であるのかは不明。
ヤマツツジにしては花付きが良い気もするが、
それが品種特性、もしくは環境によるものなのかは今の段階では判断出来ない。
植える場所や肥料一つで同品種でも成長や花付きは全く変わるので、しばらくは要調査である。
写真 |

非常に白く、さわやかな印象を与える。
取り扱いについて |

木漏れ日を好み、あまり直射日光の下で元気に生育する木ではない。
落葉樹の下などに植えるとよく咲き、夏にも株が弱らないので推奨。
本種に限らずヤマツツジは強そうに見えて案外弱く、植える条件次第で夏の日差しに負けたり
あっという間に水切れしたり、他のツツジより病気になり易いなどと若干癖がある。
縦に良く伸び、根付きさえすればツツジ中で比べても成長速度は速い。
代わりに花付きが多少控えめなのがヤマツツジの特徴だが、本種は中々良く咲いた。

ヤマツツジは樹形が縦に伸びる傾向があり、新枝の勢いも強くあまり刈り込みには向かない。
とは書いたが樹勢は強健で萌芽力はかなり強く、強剪定にも良く耐える。
樹高を真っ二つにするくらいでは枯れる木でもないので、好み次第では幾らでも刈り込んで良い。
時折高めの生垣にされているのを見かけることもある。
ただし本種は半落葉で冬には葉が落ち遮蔽力が半減するのと、
久留米や平戸のような花付きを期待出来ないことは念頭に置いておきたい。
雑記 |

交配種、個人交配、選抜種、別名、流通名。極めつけは産地違い。
一つのツツジが5つの名前で呼ばれている時もあり、多数の品種を扱っているとよく混乱する。
ツツジは特に園芸界でも人気があるので星の数ほど品種があり、
しかも宇宙のように未だ広がり続けているのだ。

おしべの数も同じ、花型も同じ、同じツツジ類で色も開花時期も同じ。
しかしそれでも精査に精査を重ねてみると品種が違うということがある。
僅かに多花性だったり、葉のサイズが若干違ったりと少しずつだが差は有るのだ。
しかし植える場所だけでも特性や花付きは変わるので、もうてんやわんやである。