久留米ツツジ | 白雪(シラユキ)
2022年05月22日

分類・クルメツツジ(常緑樹)
開花期:4月上旬
早咲きの久留米ツツジの中でも早咲きで、大抵は先陣を切って咲き始める。
とはいっても精々数日ズレるくらいなので、早咲き系でまとめて植えても違和感なく開花が揃う程度。
扱いやすさ・★★★★☆ 強健
久留米ツツジの中でもかなり強健。
始めて植えた年の夏さえ越えれば以降困らせられることは殆どない。
暑さ・強いが一日中日差しが当たるような場所には向かない。
寒さ・強い。東京では全く気にする必要がない。
乾湿・乾燥に弱く若干の湿気を好む
概要 |
明治時代に作出された久留米ツツジの一品種。
小輪で非常に多花性。開花期は花が株を埋め尽くすように咲く。
花のサイズ的には極小輪ではなく小輪くらい。そこまで小さいイメージではない。
ツツジのシンプルな白花品種であれば、樹高が小さいものが良ければ本種。
大きいものが良ければ白孔雀(平戸ツツジの白花)で良い。
どちらも非常に強健で一重の多花性。

玄海ツツジやエゾムラサキ系、ミツバの白花を除けば花色がかなり白に近く、
上述した種のように癖もない久留米ツツジとしての強健さを持つので非常に扱いやすい。
久留米ツツジの中だと成長も早い方で、気が付くと結構大きくなっている。
尚、あの極彩色の常夏の枝変わりであるという点も面白い。
写真 |


蜜標は薄い黄緑色で、周りに色が滲まず花色は真っ白に近い。
上記で述べたように極小輪の久留米ツツジと比べると僅かに花が大きいが、
一般的なツツジ類の中で見ると小さく開花時の雰囲気は繊細。
取り扱いについて |

久留米ツツジらしい強健さを持ち、日光に強い。
株元を枯れ葉や腐葉土などで覆ってやると夏の直射日光にもよく耐える。
本種は久留米ツツジの中でも強健な方に位置し、難しいことをしなくても良く育つ。
特に日差しや乾燥に対しての耐性は素晴らしい。
ただし、近年の東京の真夏は35度近い猛暑日が一週間~二週間ほぼ連続で続いたり
その上で地域によっては雨が二週間近く降らなかったりと非常に過酷な環境であり、
特に苗木を植えつけた年は乾燥に気をつけた方が良い。

かなり萌芽力が強く刈り込みにもよく耐える。
どこから切っても余程ではない限り芽が出てくるので非常に樹高を管理しやすい。
本種を含めたツツジ類は夏を過ぎた頃の枝に大抵花芽がついているので、
夏以降に剪定したい場合は刈り込むよりも剪定を選んだ方が花芽を減らしにくく吉。
特に9月を過ぎた頃に刈り込んだ場合は翌年の花数に影響することが多い。
雑記 |

枝変わりとは端的に言うと植物の突然変異のことで、
新枝が突然枝元の木とは別の特性を持った枝に変化することを言う。
ピンク花のツツジが突然赤花を咲かせたり、花の造形が微妙に変わったりと変化は様々。
それを上手く取ったり差したりしたものが全く別の品種として世に誕生する。

例えばサツキは妙に枝変わりし易く、それによってかなりの新品種が世に生まれてくる。
ツツジもサツキ程ではないがちょいちょい枝変わりをするので、探してみると面白い。
例えばどこの街でも見かける平戸ツツジの曙(ピンク)は大紫の枝変わりで生まれた品種である。
ツツジの木全体が桃色にも関わらず、赤花がポツンと花を咲かせている時などは枝変わりかもしれない。