久留米ツツジ | 白妙(シロタエ)
2022年05月23日

開花期:4月中旬
久留米ツツジの一品種。
一番の特徴は久留米ツツジとは思えない花付きの少なさで、
現代に植えられるツツジの中だと逆・花付き部門で頂点を狙えるだろう品種。
その上で小輪白花かつ花の造形がほっそりとしたラッパ型なので、殊更開花期の花数の少なさが際立つ。
同じ度合いで花を咲かせない品種は落葉性ツツジ系を考慮してもあまり思いつかない。

しかし、株を花で覆い尽くさない久留米ツツジというのは逆に唯一無二の部類に入り、
一見した時に抱く印象は他のツツジとは一線を画す。
集合体恐怖症であったり、多花性を苦手とする人物も存在していることから、
本種の需要は常に存在するだろう。
楚々とした開花期の姿は日本の庭によく合う。
取り扱いについて |

花から受ける印象は少しか細いが、樹勢は久留米ツツジらしく非常に強健。
日光にも強く、マルチングを施せば直射日光にも耐える。
強健な久留米ツツジの中でも強健で、根付くと縦に勢い良く伸びていく。
害虫としてはルリチュウレンジの幼虫がしばしば夏から秋にかけて発生し、葉を食害するので注意。
特にベニモンアオリンガは初夏から秋にかけて新芽と花芽を食害するので、6月頃から秋までは
定期的に殺虫を行う。

久留米ツツジの中でも成長速度が若干早く、萌芽力も強いので刈り込みに向く。
やや縦に新枝が伸びるので刈り込まずに剪定すると中々様になる。
あまり花付きを求める品種ではないが、
少しでも花付きを良くしたければ夏以降は枝先を落とさない方が良い。
雑記 |

久留米ツツジは株を花が覆いつくすのが当然という固定観念を本種は壊してくれる。
初めは本種の特性を熟知しておらず、日向と半日陰を行ったり来たりもさせたが
殆ど花付きは変わらなかった。知識と学習は宝である。

色々なものを知るようになってからも、
もっと本種に合うような場所があるのではないかと考えながらいつも眺めている。
相手がツツジでなければ不審者でしかない。