どうしようもない土壌をどうにかする
2020年02月15日

何時かはこの山を花木で埋め尽くそうと決意したは良いが、
そこら中に問題が散見していて何から手をつけていいやら困ったものだ。
先立って花木を植えるという目標がある以上、まずは植物を植える為の根本的な問題から解決しよう。
即ち土壌の致命的な問題である。

何というか絶望的な土壌だ。
石や瓦礫が所狭しと転がっており、植栽がどうとか言っている段階ではない。
振り下ろしたスコップが金属音と共に弾かれた時は流石に参った。
これが表面だけならばまだ希望はあるのだが、そう生易しい話ではない。

掘ってみるとどうも表面から30~60cmは殆どが砂利と瓦礫で形成されているようだ。
掘るというよりは削り取っているという表現の方が正しい。
所有者の友達に話を聞いてみると、どうもこの道は昔砂利道であったらしく
何十年も踏まれ続けた結果土壌下に沈んだのだろう。
あまり嬉しくない情報だった。

止まっていても意味がないのでとりあえず如何にかすることにした。
開発計画の手始めに、さしあたっては山全体の表層に含まれる砂利を除去する。
時間はかかるだろうがこの作業を避けては通れない。
まずは山全体の地表の大きな瓦礫を全てどける。

その後は土中60cmを目安に砂利をすくってふるいにかける。
試しに1日やってみたが、作業完了には最低でも1ヶ月はかかるだろうと確信した。
これを山全体で行うとなると中々に気の遠くなる話だ。

埋まっているゴミの撤去や撤去した砂利の移送も含めて、
細かくやると大体2メートル程進むのに丸1日かかる。
スコップを思い切り振り下ろした時にカツンと音がしない程度が目安だ。
後顧の憂いのないよう徹底的にやる。

何より一番手間がかかるのは張り巡らされている竹の根の除去だ。
元々竹林になりかけていたこの山はどこを掘っても竹の根が沢山出てくる。
これをしっかりと取り除いておかないと来年の今頃は再び竹林になってしまうこと請け合いだ。
しかしここで目を皿にしたところで竹をそんな簡単には根絶出来ないので、竹の駆除は今後しばらくの課題にする。

朝から晩まで延々と砂利を掘りふるいにかける。
真冬故に日が短く、17時にはかなり暗くなってしまうので効率が悪い。

ちなみに除去した瓦礫や砂利は剪定ゴミと共に画像右端の崖に落として処理する。
とにかく金のかからないように行うのだ。
この山の管理はタダでやるもしくは私の金でやると(山所有者)に約束した。
尚友達の名誉の為に書いておくと、彼は報酬を出してくれようとしたのだが私がそれを強く断った形になる。

砂利とモルタルの残骸のようなものが長年の雨で固まっており非常に難儀である。
しかしふるいにかけると思いのほか土が残るのは有りがたい。

ひたすら土を掘ってふるいにかける作業を繰り返す。

10年以上放置されていた土地の割りにミミズが殆どいないのが不思議だ。
砂利が多過ぎて居心地が悪いのかもしれない。
真っ二つにすると罪悪感があるので今はいない方が助かる。

延々と整地作業を続け、山全体の砂利を除去するのに必要とした時間は最終的に39日だった。
千里の道も一歩からとはよくいったものだ。
しかし、これで花木を植える為の最低限の環境は用意することが出来た。
あくまで最低限であり、理想的な環境には遠く及ばない。