琉球ツツジ | 琉球絞り(リュウキュウシボリ)
2022年05月27日

開花期:5月上旬
琉球ツツジの古典園芸種。
恐らく江戸時代から庭木に使用されていると思われるが、現存する文書で
名前が確認出来るのは大正時代に入ってからである。
花は二重咲きで、白地に赤紫の線や点がランダムで入る絞り咲き。
絞り咲きをするツツジの中だと絞りの発現がそこそこ安定しており、
株に咲いた花に絞りが一つも入っていないというような事態はあまり起きない。

クレープ&バニラのアイスクリームのような色彩で洋風の庭にもよく馴染む。
絞りの発現は安定しているが当然苗によってかなりの個体差があり、
最大級に絞りの少ない苗に当たった場合はただの二重咲きの琉球ツツジと化す。
絞りが本当に出ない個体は数年成長させても全く発現せず、
どうやっても出ないものは出ないので別の個体を求めるのも一つの手段である。
取り扱いについて |

耐暑性が強く乾燥にも耐え、琉球とはいうものの耐寒性も非常に強い。
ただし乾燥に耐えるといってもツツジの中ではという括りの話であり、
特に植えてから直近の根付いていない期間に夏の日差しや乾燥に当ててしまうと
どうしてもダメージが発生する。
毎度書いているが株元を落ち葉や腐葉土で覆うと良い。
1~2年は真夏のみ日除けで遮光するのも有効である。
半日陰にも耐えるが花付きが欲しければ出来る限り日向に植えるのが吉。

萌芽力は非常に強く、刈り込んでも全く問題はない。
どこから切っても芽を出すが、真夏の時期に強剪定を行うと株が弱るので
剪定挟で切れないレベルの枝を切る時はなるべく夏を避ける。
強弱何れのレベルの剪定も花後すぐにやれば夏が来るまでには若干葉が展開し、
花芽分化の邪魔にもならずお勧めである。
ただし、強剪定を行った年の翌年は花を咲かせないことも多い。
雑記 |

ツツジに限らないことだが、本種のように花弁にストライプ模様が入るものを「絞り咲き」と言う。
色のついたシャワーを中心に向けているかのように派手なものから、
ワンポイント程度に色線が数本しか入らないものまで絞りの種類は多種多様。

しかしツツジで絞りの発現が抜群に安定している品種はあまり多くはなく、
精々が髪のメッシュ程度のものだと捉えていると期待を裏切られることがない。
極端に絞りが発現しにくいものだとその品種が絞り咲きだということを忘れるレベルのものも存在する。
苗によって個体差が大きいので、当たるまでガチャのように購入してみるのも良い。
上手く絞りが出た時は崇め奉ろう。