中国原産ツツジ | ホンコンエンシス(hongkongensis)

2022年05月29日
ツツジ
ホンコンエンシスの花

開花期:4月上旬

中国大陸を原産地とするツツジ。
花弁にマゼンタの蜜標が濃く入り、僅かに暗みがかった淡いライトピンクの花を咲かせる。

分厚く重厚な花弁は特徴的で、色と合わせて非常に上品な印象。
葉と花の性質は愛媛県の極一部に自生するトキワバイカツツジによく似る。


ホンコンエンシスの花

詳しい来歴は殆ど不明だが性質は至って強健で扱いやすく、日向にも半日陰にも適応する。
耐暑、耐寒性も共に強く、かなり育てやすい。

一応日本に渡ってきてから数十年は経っているとのことだが、今まで町で見かけたことは一度もない。
そもそも園芸コーナーに置いているのを見たことがなく、未だ知名度が不足しているのだろう。


取り扱いについて


特性

日光にはそこそこ強く日向を好む。
ただし株が若い内、もしくは樹勢が悪いと新芽が焼けることもあるので注意。

東京の夏の日差しにも耐えるが、きちんと根付くまではやはり葉が焼ける。
半日陰にも耐えるので、不安なら半日陰から日向に少しずつ動かして様子を見るのも有り。

ツツジの中では乾燥に強い方だが、とはいえあまり乾燥はさせない方が良い。


剪定

萌芽力は強くも弱くもないくらいで、なるべく刈り込みではなく鋏で剪定を行った方が良い。
縦に向けて強く新枝を出すので、枝を支柱などで広げてやると樹形が美しくなる。

育ち方としてはセイシカやトキワバイカツツジと類似し、木立になっていく。

急激に成長するタイプではないが、放っておけば4mを越えるサイズまで育つ。
手がつけられなくなる前に理想の樹高を想定し、剪定したい。


雑記


絵1

本種の詳細な来歴は不明だが、葉も花も全てがトキワバイカツツジに似ている。

トキワバイカツツジは日本の固有種で、愛媛県宇和島市にしか自生していない希少種。
それと本種が類似しているのは興味深いが、本種の方が遥かに強く育てやすい。


絵2

とにかく中国からやって来たということしか分からないツツジであるが、
湖南省原産の「湖南の月」というツツジが本種とそっくりなので
原産地は中国の中南部辺りなのかもしれない。

情報が少な過ぎるので、何時かは直接現地に行って調べてみたいものだ。