交配系ツツジ | はるか
2022年05月29日

開花期:3月下旬
平野農園さんによって有鱗片シャクナゲ同士を掛け合わせて作りだされた交配品種。
花色はとても淡々しく朧げとした、形容のし難い桜色をしている。
モチ・岸ツツジ系のピンク色とも違い、藤色を薄くしたようなパステルカラーが非常に神秘的。
薄い花弁は光が当たると透き通り、角度や日当たりによって若干色が変わって見える。
何れも唯一無二の幻想的な花色を誇り美しい。

同色のツツジは他に存在しないと言い切れるくらいに個性のある色合いをしており、
日差し次第ではかなり花色の見え方が変わる。
有鱗片シャクナゲの交配親の片方がタンナゲンカイツツジという情報があるので、
それが正しければこの花弁の薄さや日に透けた輝きは納得である。
尚、花の美しさもさる事ながら有鱗片シャクナゲの中では驚く程に育てやすく、
特に日差しと乾燥への耐性が非常に高い。
細かく面倒は見たものの夏の直射日光にも耐えるなど、非常に強健。
写真 |


とにかく日当たりで色が変わる。
写真を撮る時は肉眼で認識する花色に努めて近づけるようにしているが、
本種は撮る度に色が違って愉快。しかし何れも肉眼で見た通りである。
取り扱いについて |

殆ど通販でしか出回っておらず、情報が少ない。
試しに複数個体を入手して日向から明るい日陰、乾燥しやすい夏の日差しも当たる場所など、
それぞれ条件別で植えたが今のところ全てが元気に生育している。
真夏をもう幾度か経験させた後に結論を出そうと思うが、
現状では有鱗片シャクナゲの中でもトップクラスで扱いやすい。
少なくとも日光への耐性は中々のものだと考える。

同じ有鱗片シャクナゲで例えるとゲンカイやエゾムラサキのように縦に伸びる育ち方をする。
従って刈り込みは行わずに鋏で手を入れた方が良い。
萌芽力に関しては調査中だが、あまり極端に弱いようには感じない。
有鱗片シャクナゲだがツツジに近い感じの葉を出しているので案外と刈り込めるかもしれない。
しばらく要調査である。
雑記 |

実に不思議というか、とにかく幻想的な花の色彩を持つ。
その朧げな色合いは、カタログで知っていながらも始め幽霊と見紛うような衝撃を受けた。
いざ咲いた花を目の前にしても、とても現実に存在しているとは思えない。
私も色々と育てているが中々に見たことのない色合いだ。

見つめていると吸い込まれそうになるような、本当に透き通ったラベンダーピンクをしている。
恐らくタンナゲンカイツツジから受け継いだだろう花弁の薄さは素晴らしく、
日光が当たると色を変えて宝石のようにキラキラと輝く。
この世に本種が生まれてきてくれたことに感謝したい。