平戸ツツジ | 貴婦人(キフジン)

2022年05月31日
ツツジ
貴婦人の花

開花期:4月中旬

平戸ツツジの一品種。

花色はかなり淡い薄ピンクで、その花弁の外周を濃いピンクが縁取っている覆輪咲き。
やがて咲き進むにつれて下地と外周のピンク色同士が溶け合って混ざり合い、
非常に気品のある美しい色合いへと変化していく。

咲き進んだ状態で花弁に陽光が当たると煌々と輝き、極めて美しい宝石のようになる。


貴婦人の花

本種はツツジ全体で見ても極めて強健で、枯らすのが難しいレベルで樹勢が強く扱いやすい。
これだけ美麗な花を咲かせつつ強健だなんて最強である。

半日陰に植えた時の花数の減少が著しく、可能な限りは日向に植えたい。
苗木の時は乾燥に弱いが、成長が早いのですぐに様々な耐性が上がっていく。

尚、西洋シャクナゲの「貴婦人」とは同名だが別物。


写真


b_kihuzin_1.jpg

咲き進みや日当たりで花の色がコロコロと変わる。
何れも鮮やかで非常に美しい。


取り扱いについて


特性

平戸ツツジらしく非常に強健で扱いやすい。
久留米ツツジやモチツツジと比べても日当たりや乾燥に強く
樹勢が良ければ真夏の直射日光にも耐え、葉が繁って根元が隠れていれば乾燥にも耐える。

ただし全ては株が土に根付いていることが前提で、植えて1年程は水やりなどの世話を欠かさない方が良い。
全体的に生育が良いが根の成長も早く、根付くのは比較的早い。

尚若干耐陰性が低く、半日陰だと株が枯れることは全くないものの花数が減る。


剪定

萌芽力はかなり強く、刈り込んでも全く問題ない。
毎年旺盛に新枝を出し、剪定鋏で管理するのが大変なくらいには新芽を出す。

放任すると年々横に縦に一回りずつだが際限なく大きくなっていくので、
大きくしたいのでなければ必ず毎年剪定を行ったほうが良い。
本種も平戸ツツジの例に洩れずそこそこ大きくなる。


雑記


絵1

本種に限らない事だが、こういう二色系の色調を持つ花が咲き進むと
二つの色が溶け合ってガラっと印象が変わることが良くある。

これはネットショップのサムネイルなどだと確認出来ないことが多く、
自分で育てて初めてこんなに美しい花だったのかと気が付かされることも多い。

逆に咲き進んだ花の姿がサムネイルになっているパターンもあり、
その場合は咲き始めの花色がサムネイルと違い過ぎて驚かされる。


絵2

開花から十日くらいを境目に、少しずつ白い部分とピンクの部分が混ざり合っていく。
完全に色が混ざり合うと最早咲き始めとは別の花だ。

やたらと色がクリアになり、透き通ったような不思議な雰囲気になる。
そこに太陽の光が当たるともう宝石だ。

貴婦人という名前がよくはまっている。