モチツツジ | 鹿乗橋(カノリバシ)
2022年06月02日

開花時期:4月下旬
モチツツジの園芸品種。
本種は花芸ではなく葉芸がメインの園芸種で、先が赤みがかった白色の独特な葉を広げる。
曙斑(新葉が白く、夏にかけて緑色になる)に近い形態で、
モチツツジは半落葉性なので毎年春に新芽が出てくる度に新しい斑を楽しめる。

モチツツジは個体によって花色が淡いピンクからやや濃い紫色までそこそこ幅があり、
「鹿乗橋」は非常にモチツツジらしい淡いピンク色の花を咲かせる。
つまり葉芸はともかくとして本種を購入すれば上記画像の色合いが保証されるので、
確実にモチツツジらしいモチツツジの花色が欲しければ本種を勧めたい。
取り扱いについて |

基本種のモチツツジと比べると若干日差しに弱く、
真夏の直射日光下に長く当たるような場所だと葉やけする。
しかし太陽に当たらないと露骨に葉芸が冴えなくなる上に樹勢が弱るので、
矛盾しているようだが日が良く当たる場所に植えなければならない。
基本種よりも日光への耐性は落ちているものの、一応モチツツジらしく強健なので
13時以降の西日が延々と降り注ぐような場所でなければ十分に耐える。

本種は刈り込んでも良いと思うが、その場合はそこそこ株が育ってから行うことを勧める。
基本種のモチツツジと比べると1年を通して若干成長が遅く、従って一枝の価値が高い。
可能なら鋏で枝を選んで剪定すると貴重な枝を無下にしてしまうリスクを減らせる。
雑記 |

「曙斑」は斑の一種で新葉が白色(うぶ斑)で出てくるものを言う。
葉緑体が育つ前に葉が育ってしまうことで白い新葉になるのだが、
次第に葉緑体の成長が進んで夏頃には緑色の健常な葉に戻る。
尚そのまま葉緑体が育たない種類もあり「幽霊」と呼ぶが、光合成が出来ずに枯れてしまう。

曙斑は常緑樹の場合だと新芽でしか楽しむことが出来ないが、
本種のように半落葉、落葉樹だと株全体の葉の更新で毎年沢山の曙斑を楽しむことが出来る。
斑入り品種は花のみならず葉も楽しめて隙がないが、基本種よりは日光耐性と耐陰性が落ちる点には注意。