キシツツジ | 岸牡丹(キシボタン)

2024年05月13日
ツツジ
岸牡丹の花

分類:キシツツジ (半落葉樹)
名前:岸牡丹 (キシボタン)

開花期🌸:4月上旬
キシツツジ系の中では開花が早く、4月の上旬頃に開花する。
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日差しに良く耐え強健で扱いやすい。
湿った場所を好むが根付いていれば乾燥にもまあまあ耐える。
苗木の時にあまり強い直射日光に当て続けるようなことをしなければ、
育成上で失敗する例は殆ど無い。

暑さ🌞 : 強い。根付けば真夏の直射日光にもそこそこ耐える。
寒さ⛄ : やや強い。東京では気にする必要がない。
乾湿💧 : 乾燥にやや弱く湿気を好む。

自生地 : 無し (日本の園芸品種)

品種登録 : ❎
商標登録 : ❎
在庫状況 : ✅


概要


キシツツジの園芸品種。
八重咲きと唐子咲きが混ざったような一風変わった咲き方をする。
花弁の色はキシツツジ系の淡いピンク色で、花のサイズは大輪寄りの中輪。

おしべの花弁化の仕方が非常に独特で緑色のヘタのようになっており、
まるで花の表側にもがくがついているようで面白い。

基本的には中心で固まり白いクチバシのようになっているが、
花の調子によっては白味やピンク味が増し、更に調子が良いと完全に色が付き花弁化する。


岸牡丹の花

咲き方は花それぞれで上手く咲くと八重咲きのようになるが、
変化した花弁にはおしべの名残や緑色の線が不完全に残ることが多い。

似た品種に同じキシツツジ系の藤万葉があるが、
藤万葉は中心の花弁の先が細くピロピロとした感じになるのに対して
本種は平均的に花弁が広くバラのように綺麗に八重咲きになる。

両種ともに不定形なおしべが完璧に花弁化した場合の花の比較で、
咲ききらない姿としての奇抜さは本種に分があるように思う。

尚、苗木としては殆ど市場に出回っておらずほぼ生産はされていない。
一年に一度か二度くらいの頻度で数センチ程の小さな挿し木苗が
楽天なりヤフオクなりで出品されることがある。


写真


岸牡丹の花2

株が成熟すると開花にも力が回り、中心に色のついた花を咲かせやすくなる。
逆に苗木の頃は不完全な花を咲かせやすいが、その花も奇妙で非常に魅力的。


取り扱いについて


特性

育ち切った上での耐性は日光乾燥共に強い理想的なものだが、
ただでさえ手に入る苗木が小さいものになりやすく
初動で植える場所を間違えると失敗しやすい。

最小5cm、大きくても20cm程度の苗木が極稀にしか売られていないので、
始めは湿った明るい半日陰に植えると良い。

場合によってはきちんと宿根していない挿し木苗であることもあり、
そういう苗木に当たった上で日当たりの良い場所に植えると非常に良くない。
耐陰性が割と高いので明るい半日陰を終の棲家にしても良い。


剪定

萌芽力は高い方で刈り込みが可能。
何度か上述しているが手に入る苗木が軒並み小さいので、しばらくは剪定作業が要らない場合が多い。

キシツツジだが原種ほど枝も樹形も暴れにくく扱いやすいのが利点。
その割に成長は意外と早く、大丈夫かと思うような小さな苗木も3年あれば中々良い株に育つ。
ある程度育ってきたら中を少し透くと良い。


雑記



絵1

岸牡丹は変わり咲き系のツツジの中でも抜きん出て奇抜な形の花を咲かせる。
まるで花の中心に鳥のクチバシかトマトのヘタでもついているようで愛嬌は抜群。

非常に花持ちが良く、咲いている途中に中心のおしべの変形プロセスを観察出来ることがあり
開花時に白かったものがややピンクになったりと変化を楽しめるのも良い。


絵2

惜しむらくはとにかく苗木が流通していないことで、町でも本当に全く姿を見かけない。
ある所にはあるのかもしれないが、未だに自分の育てたものや自分が顧客の庭に植えたもの以外で
一度も本種を見かけたことがなく、最早幻のツツジである。

強健で花が面白く愛嬌があるので是非町に増えて欲しいと思うが、まず市場に流通していない。
勿体無いこと極まれりである。


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